「自動更新って便利そうだけど、不安もある」そんな方に向けて
WordPressサイトを運用する上で欠かせない「更新」。特に自動更新は、セキュリティ維持に重要な機能ですが、場合によってはトラブルの原因にもなります。
この記事では、
- 自動更新によって起きやすいトラブル事例
- メリットとデメリット
- オンにしてよい/オフにしたほうがよい条件
といった視点から、自動更新の設定をどう判断すればよいかを解説します。
特に、WordPress診断ツール「MozCheck」の開発・運営に携わる筆者が、自身の経験と実際のトラブル事例をもとに執筆しています。Webサイト運用の現場で蓄積された知見をもとに、実践的な判断材料をお届けします。
初心者でもわかりやすく、用語の解説にも軽く触れながら進めていきますので、ぜひご自身のサイト運用に役立ててください。
はじめに:WordPressの「自動更新」とは
WordPressには、ソフトウェアの更新を自動で適用する機能があります。
対象は以下の通りです
- WordPress本体(メジャー/マイナー)
- プラグイン
- テーマ
WordPressの初期設定では、マイナーアップデートのみ自動で有効になっており、プラグインやテーマは自分でオン・オフを切り替える必要があります。
他にもWordPressのメジャーアップデートなど、自動更新させるプラグインも存在しています。
本記事では、自動更新の設定方法ではなく、「自動更新をオンにすべきかどうか」を判断するための視点を解説します。
自動更新で起きやすいトラブル
自動更新による最大のリスクは、更新後に不具合が発生しても気づきにくいことです。
代表的なトラブル事例
- ページが真っ白になる(PHPエラー)
- サイト上部にワーニング表示が出てレイアウト崩れ
- キャッシュプラグインの影響で更新が反映されず、見た目だけ古い状態に
特に「キャッシュ系プラグイン」との相性には要注意です。
ちなみに、万が一トラブルが発生した場合にはバックアップからの復帰や、プラグインが原因の場合が多いのでプラグインディレクトリ( wp-content/plugins
)に入っているプラグインを一旦別のディレクトリに移動すれば解消する可能性が高いです。(その後プラグインを再インストールすれば完了です)
自動更新のメリットとデメリット
✔ メリット
- セキュリティリスクを最小限に:放置による脆弱性を防げる
- 更新忘れを防止し、基本的な安全性を保てる
- 多忙な運用者でも安心して放置できる仕組みがつくれる
⚠ デメリット
- 事前検証ができない:本番サイトに直接影響が出る
- 特に非公式プラグイン・テーマは更新で壊れる可能性あり
- トラブル時に復旧まで気づかないリスク
自動更新を「オンにしてよい」条件とは?
以下に当てはまる場合は、基本的にオンでOKです。
条件 | 理由 |
---|---|
公式テーマ/プラグインのみ使用 | 安定性が高くトラブルが少ない |
カスタマイズをしていない | アップデートで影響を受けにくい |
更新時のメール通知設定がある | 更新後の状況をすぐ確認できる |
自動更新はあくまで「気づける体制」とセットで運用するのがポイントです。
ちなみにテーマ内の functions.php
を編集していると、更新された場合には編集内容が無くなってしまうので、あまりオススメできません。プラグインとして書き出したり子テーマの使用を推奨します。
自動更新を「オフにしたほうがよい」ケース
状況 | 判断理由 |
---|---|
非公式・独自開発のテーマやプラグインを使っている | 更新後の挙動が読めず、不具合の可能性が高い |
キャッシュ系プラグインを多用している | 表示上の不具合や更新反映ミスが起きやすい |
業務に直結するサイト(EC・予約など) | 自動で壊れた場合の影響が大きい |
まとめ:安心して使うためのポイント
- 自動更新は「安全の仕組み」だが、トラブル時の対処法も必要
- 通知設定(更新メールなど)を必ず有効にすること
- キャッシュ系プラグインとの併用は要注意
- 公式プラグイン/テーマを使っているなら基本的にはオンでOK
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